不登校中学生が学校や家庭以外での居場所を見つけることは、彼らが成長するための重要なステップです。そこで注目されているのが「フリースクール」です。
この記事では、不登校中学生の問題に焦点を当て、フリースクールがどのような場所なのかについて実体験も踏まえて調査してみました。フリースクールへの通所を希望している人はぜひ参考にしてみてくださいね。
フリースクールとは?適応指導教室と何が違う?
フリースクールは、不登校やひきこもり、発達障害や身体障害、知的障害などの事情を抱える子どもたちが、小学校・中学校の代わりに学びの場を提供する施設です。
個人経営、NPO法人が運営しているところが多く、それぞれの方針や教育理念に基づいた形態となっています。費用についても施設によって異なりますが、共通して子どもたちの主体性を尊重しているのが特徴です。
適応指導教室は、市区町村の教育委員会が運営する公立のフリースクールです。この施設は、不登校の小中学生を対象に、学籍のある学校とは別に用意された市町村の公的な施設で学習の援助を行いながら、本籍校への復帰を目指します。
適応指導教室は公的な予算や教育委員会のサポートを受けており、費用の面ではフリースクールよりも軽減されます。
フリースクールも適応指導教室も、在籍校の校長が認めた場合は、施設に通う事で学校(在籍校)の出席扱いとなります。
フリースクールと適応指導教室の大きな違いは、経営・運営団体が違うというところ。適応指導教室は自治体の教育委員会が運営しているため授業料などは基本的に無料です。(ときどき教材費は徴収されますが)
一方、民間企業やNPO法人、個人が経営フリースクールはさまざまな取り組みやサポートが充実している一方、公的な支援はないため月額1万~3万円程度の授業料がかかります。
フリースクールのメリット・デメリット
適応指導教室やフリースクールを利用する上で予め知っておいた方がよいメリット&デメリットをご紹介します。
メリット:学校や家族以外の人と関わりが持てる
不登校は学校の先生や家族以外と接触する機会がないのが悩みですよね。
フリースクールや適応指導教室に通ってる子供は何かしらの問題を抱えている子ばかりなので、みんな優しいし無理に関わってくる感じもないです。
ウチの長男曰く、話をする子はいるけど名前知らないしLINEも交換していないとのこと
フリースクールや適応指導教室の先生は基本的に不登校に理解がある方ばかりなので不登校の子供も接しやすく、親も悩みを相談しやすいです。
また通えなかったら悪みたいな感じや、学校に無理に戻そうという圧も全くありません。
不登校の子供が、少しずつ外の世界や社会とのつながりを持つ上で重要な役割を果たしているといえます。
メリット:外に出る習慣がつき生活リズムが整う
週に数日でも通う事で、外に出ることが習慣化されます。
また朝早過ぎず明るい時間に家を出ることで必然的に日光を浴びることができるので生活リズムが整います。
メリット:在籍校の校長が認めれば出席扱いになる場合が多い
フリースクールや適応指導教室の多くは、在籍校の校長が認めれば、通った日は出席日数としてカウントされます。
ただ、校長の許可を得るために何度か学校と連絡を取り合ったり書類を提出…フリースクール側とも面談をするなど手続きが少し面倒なので、すぐに出席扱いになったり定期的に通えるようにはなりません。
ウチの場合は、出席扱いになるのに1ヶ月ほどかかりました。
デメリット:私営のフリースクールは料金が高い
先ほども少し触れましたが私営のフリースクールは国や自治体から補助金が下りているわけではないため授業料がかかります。
週何回通うかにもよりますが、安くて月1万円、高くて月5万円ほどかかります。学習塾などが運営しているところがも多く、一言で言えば少人数制の学習塾の延長のような雰囲気です。
私営のフリースクールはビジネスとして運営しているため、お金がかかる点は理解ができます。しかし経営者が不登校の子供を金づるとしてしか見ていないようなフリースクールは選ぶべきではありません。
高額な授業料を払わせ通所させてタブレットでゲームさせるだけで1日終わるようなスクールもあるようです。フリースクールは学校法人のような特別な許可も必要なく、開業届さえ出せばだれでも開設できます。
過去に性犯罪を犯した事例があるにも関わらず何事もなかったかのように平然と運営&生徒募集をしているスクールも存在しますので選ぶ際には注意が必要です。
デメリット:外に出る•通うことに抵抗がある状態で通わせるのは難しい
不登校で長い間引き篭もった状態から外に出るのは、本人にとっては相当勇気のいることです。
フリースクールや適応指導教室に通う意思はあっても、身体が言う事を聞かないと言ってすぐには通えない場合も多々あります。(我が家もそうでした)
入所後すぐに通えなくても大丈夫です。体調や気分が比較的安定したタイミングを見計らって通わせてみることをおすすめします。
また、通う意思のない子供を無理やり通わせるのだけはやめましょう。
子供とコミュニケーションがある程度取れるようになり、子供が心身ともに回復して少しでも外にも出られそうな状況になってから、フリースクールや適応指導教室への通所を勧めてみることをおすすめします。
フリースクールは学校以外の居場所をつくる一つの選択肢
私個人の意見としては、まずはじめに自治体が運営している適応指導教室の体験学習をしてみて、適応指導教室が子供に合わなければ私営のフリースクールという順番で体験をしていくことをおすすめします。
なぜならば、私営のフリースクールは授業料がかなり掛かるためです。お金が掛かるからいいのかというと上記のようにそうでもない現実もあるからです。
私営のフリースクールを選ぶ場合は、ネットなどの評判だけでなく、運営実績や経験がある&運営母体が子供向けの塾などの教育関係の会社・団体であればそれなりに安心はできますので、その点考慮しつつ選ぶといいでしょう。